職場の「稚心」を去る 「教育は愛」No.252

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職場ー25 職場の「稚心」を去る

◆「稚心を去る」とは、幕末の志士、橋本左内の『啓発録』にある言葉のひとつです。

 橋本左内は、15歳の時に『啓発録』を書いたことに、驚きと心からの敬意を表します。

 さて、最近、職場に「稚心」が散見されるようになった気がしています。それは、職員一人ひとりが「稚心」を去ることができていないことに起因しているのではないか、と私は考えます。

 職場とは、仕事をする場のことです。自分の仕事による対価を賃金としていただくプロが集う場です。仕事ですから、当然、辛いこともあります。やりたくないことも多々あることでしょう。しかし、それが仕事なのです。

 どうしてもやりたくないのなら、自分で起業して、好きなことだけをやっていればよいのです。

 この辺りの当たり前のことが、どうも近年、当たり前ではなくなっているように感じています。

 仕事は、一人ではできません。仲間と協力し合いながら、行います。協働が必要です。協働するには、その基礎となるコミュニケーションが欠かせません。

 コミュニケーションを自分からとろうとせず、自分の気持ちを理解していただこうなどとは、もっての外ではないでしょうか。

 それなのに、学生のサークル活動よろしく、自分の気持ちを優先させようとしてしまう職員が確実に増えてきているのを感じます。

 嫌な仕事には、後ろ向きになり、態度に表します。表情にも出して、周囲が機嫌をとってくるのを待っているのではないかと錯覚してしまうほどです。

 それが高じると、自分が気の合う者と一緒に働くことを、もっともらしい理由を付けて要求するようになります。

 自分の意に沿わないと泣き出す始末です。

 小学生のグループ決めで、気に食わないメンバーになると泣き出してしまう状況と全く同じことを働くプロの大人がやろうとするのです。

 このような「稚心」にまみれた職員が増殖すると、最早、職場の秩序など保つことはできません。

 周囲からの信頼も得ることはできません。

 会津の什の掟ではありませんが、「ならぬものはならぬのです」なぜなら、職場とは、仕事をするために集まっているプロの集団なのですから!

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