教師ー30 自信と過信
◆教師には、自信を持てない者と自信を超えて過信している者がいます。これは、教師に限ったことではないでしょう。どこの職場にも自信を持てない者、過信に溢れる者との2種類の人間がいるのではないでしょうか。
実力があるのに自信を持てない教師。どこまでも謙虚に自分を見つめているのでしょう。100点満点を取らない限り、自分に自信が持てないのです。
しかし、仕事をしていて、100点満点を取るということは、ほとんど皆無と言ってよいのではないでしょうか。ですから、そこで自分に謙虚になり、精進を重ねることは大切です。
イチロー氏が、メジャーリーグの殿堂入りの投票で100%でなかったことについて「満票でないところに意味がある」というようなコメントを出していらっしゃいました。
満点でないということは、まだまだ、努力の余地がある。言い方を換えれば、のびしろがあると言うことでしょうか。
ですから、私たちも仕事に100点満点を求めることなど到底望むべきではありません。それでも、ある程度の実績を積んでいれば、そのことについては自信を持ってよいのではないでしょうか。
子どもたちや保護者から信頼される、例え、信頼してくれる人が数人いる、というだけでもそこに感謝と自信を持ってよいのではないでしょうか。
私は、授業中、一人でも集中して自分の話を聞いてくれる子どもがいれば、それでよし、今日は、授業して良かった、と思うようにしていました。その子のためにも努力しよう、と奮い立ったものです。
さて、反対に自分を過剰評価して、過信に陥ってしまう教師も散見されます。そのような教師には、最早つける薬はありません。何を言っても、受け付けようとしないからです。自分で気付くのを待つしかないと思いますが、いかがでしょうか。
謙虚に、地道に、努力を重ねている教師に、私はもっと、もっと、自信を持っていただきたいと考えています。