萎縮し過ぎる校長 「教育は愛」No.197

管理職

管理職ー15 萎縮し過ぎる校長の学校経営

◆管理職のパワーハラスメントがひとつの大きな社会問題として指摘されています。確かに、自分が手にした権力を振りかざし、必要以上に仲間を叱責したり、責任を追及したりする管理職は後を絶ちません。

 管理職のパワーハラスメントは、絶対にあってはならないことです。

 教育委員会からもパワハラに関する要綱や防止にかかる研修が学校へも指示されています。大事なことです。

 しかし、なかにはパワハラにならないように、意識するあまり、妙に萎縮した管理職が多くなってきたのも事実です。

 その結果、自分の考えや伝えたいことも言えず、事なかれ主義に陥ってしまう管理職。

 こうなってしまっては、最早、組織を率いていく力はありません。組織の様々な考え方や思いを優先するあまり、とりとめも無い意見に流されてしまうのです。

 物事を決める時にも、「皆さんはどう思われますか?」ばかりで、最終的には「皆さんがそう考えているのなら・・・」と決断めいたことを言う始末です。

 これは、管理職としての判断をせず、組織の仲間に判断の責任を押しつけているのと同じことです。

 まるで、学級崩壊に陥ってしまった学級担任のようです。

 管理職は、自分のビジョンをしっかりと持ち、それを実現させるために、組織を束ねていくものです。その束ね方は、組織の一人ひとりが、やる気になるように持って行くことに、苦心惨憺しているのです。

 「校長室は、校長が重要な判断をするために与えられている」

 大事なことは、校長が自ら判断するのです。判断したからには、責任も取る覚悟をするのです。

 校長と教頭の差はここにあります。教頭は責任を取らないで済みますから、気楽です。好き勝手言っても、最後は校長に責任を押しつければよいのですから。

 さて、校長はパワハラをしてはいけません。

 しかし、必要以上に萎縮することなく、是々非々を明確にして、自分の思ったビジョンに向けて全力を尽くすのです。

 間違っても、教職員のご機嫌をとるような姑息なまねはしないでほしいと思います。

 時に、嫌われることも覚悟していいではないですか。そもそも、全員から支持されることなど、まずあり得ないことなのですから。

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