教師ー63 貢献度
◆校長をしていると教職員の様子を客観的に見られるものです。そして、教職員一人ひとりの貢献度をかなり冷静に判断しています。ベテランらしい力を発揮してくれている教師、年数を経ているものの、学校全体への貢献度が薄い教師、若くても懸命に日々努力をして大きく貢献している教師・・・様々です。
教師という仕事は、果てない業を追究し続ける仕事です。本気で取り組めば取り組むほどゴールが見えない仕事なのです。
そして、消極的にその日を暮らしていても、時が過ぎていく仕事でもあります。
子どもたちのために常に挑戦意識をもち、自分の授業力を磨き続ける教師には、子どもたちはリスペクトします。子どもたちだけではありません。保護者や同僚も一目置く存在となります。
その反面、理屈は経験年数相応に言えるのですが、研究と修養を怠った教師は、“信頼”という最も大切なものを失っています。ただし、当の本人は全く気付いていませんが・・。
普段立派なことを言っても、いざ、みんなで作業をしようとすると決まって年休を取得してしまう残念な教師、全校を動かすような労力の要る校務分掌からは、“できない理由”を
並べて、逃げる教師・・・そんな教師を見ていると、とても残念に思います。
「何を求めて教師という職業を選んだのだろう?」と不思議な思いにもかられてしまいます。
公立学校の教師は、年齢とともに給料が上がります。能力給ではないのです。年齢給です。年齢さえ上がれば、授業力や学校への貢献度とは無関係に給料が上がるのです。
このような給料システムも、消極的で、口先だけでの教師を生む温床になっているような気がしています。
若くても、毎朝早くから情熱をもって子どもたちのことを考え、真剣に教育をし、学校の中で大変な仕事があると、自ら進んで引き受けて頑張っている教師にもっとスポットライトが当たるようなシステムがないものでしょうか。
私は、教師が本当の意味で“プロ”になりきれない理由はここにある、と昔から感じています。
私は、年齢に関係なく、身を削るようにして日々奮闘している教師を心からリスペクトし、応援しています。