進むは人任せ退く時は自ら決せよ 「教育は愛」No.443

職場

職場ー54 進むは人任せ、退く時は自ら決せよ

◆この言葉を知ったのは、司馬遼太郎氏の『峠』を読んだ時です。長岡藩の家老、河井継之助の言葉でした。進む時には、人の力によるもの、しかし、退く時は自分で判断すること確かにその通りだと思います。

 人事異動で、望みの場所へ配置されるか否かは、自分では決められないものです。望んだところへ行けるのか否か、それは他人の力によるものです。

 自分では、どうしようもできないのですから、考えても始まりません。

 しかし、あるポストを退く時は、人に任せていてはいけません。会社の社長が引退を考えている時に、部下に「引退した方がいいだろうか?」と聞けば、必ず「社長がいなくなっては困ります。引退するのは止めてください」と答えが返ってくるのは自明の理です。

 しかし、これは、部下としての単なる儀礼であり、本音ではありません。

 ですから、これを真に受けて、社長の座に居座ることは愚の骨頂です。自分で判断するしかないのです。自分で引退を決意した時が潮時なのです。それを他人に確認しようとしてはいけません。

 また、冒頭にも触れましたが、魅力あるポストへの異動、これは、複数の人たちの力が働いている場合がほとんどです。決して一人の力だけで決まっているのではありません。日頃の仕事ぶりを見ている複数の人の意志によって、決まるのです。

 俗に言う“出世”を目指すことは悪いことではありません。しかし、大切なことは日常です。日々の仕事に誠実に取り組み、周囲の人たちから信用されるような仕事ができるようになれば、自ずと道は開かれるのではないでしょうか。

 “出世”を考えて仕事をするのではなく、自分の使命を自覚して仕事をすることが肝要だと思います。

 人事異動関係の話題が出る度にこの言葉を噛みしめています。

 「進むは人任せ、退く時は自ら決せよ」

 行き着くところ、人事異動に対する考え方は、その人の仕事観であり人生観なのだと思いますがいかがでしょうか?

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