鉄棒痛いをどうするか?  「教育は愛」No.142

体育授業

体育授業ー24 (高学年)鉄棒痛いをどうするか?

◆「手の皮がむけましたので、鉄棒の授業は見学させていただきます」

 保護者からの連絡です。鉄棒運動を懸命に練習していると二つの「痛い」を経験します。

 ひとつは、手の皮がむけて痛い、もうひとつは、「ひかがみ」(膝の後ろのくぼんだところ)の痛いです。

 鉄棒運動を練習していると、最初は鉄棒をギュッと握ります。そのため、普段負荷がかかっていない皮膚は耐えきれなくなってむけてしまうのです。手の皮がむけるとヒリヒリします。ここで、鉄棒運動の練習を止めてしまうと、再生するには数日間かかり、鉄棒運動の授業が終わってしまいます。

 無理はできませんが、痛みをやわらげるために古タオルを活用してサポーターを作ります。古タオルを2~3cmに細長く切り、中指を中心にX字を作り、手首で結ぶのです。こうすると痛いところを的確にサポートできます。

 同じようにひかがみには、古靴下の爪先部分を切り、簡易サポーターを作り膝に装着するのです。さらに、鉄棒に水道管の保護パイプを切ったものを鉄棒にかぶせて、さらに痛みをやわらげるよう配慮します。

 サポーターを装着するだけで、子どもたちの意欲は向上し、鉄棒に対してひるまない心構えができます。

 私は、こうすることによって痛みを克服して、子どもたちを鉄棒運動好きにしてきた経験があります。

 しかし、令和の時代、子どもたちがそこまでして、鉄棒運動に挑むことができるでしょうか?また、保護者の方のご理解を得られることができるでしょうか?

 この辺りは、日頃の信頼関係がものを言うのではないでしょうか。私は、毎日の学級通信とテーマを設定した学級懇談会によって、保護者との交流を大事にし、ご理解を得られるよう努力してきました。 

 子どもたちに新たなチャレンジを計画する際には、子どもたちの背中を押してくれる保護者の存在は欠かせません。

 そして、ここでは「痛い」という障害ですが、チャレンジにつきものの障害を乗り越えることによって子どもたちは、今までとは違った力や自信を手に入れることができるのです。

 私の恩師の言葉です。

 「子どもたちの体育授業への意欲は、全て教師の責任である」

 教材研究は元より、日頃の学級経営、教師の人間力、保護者との信頼関係等々、全てが集約されて、子どもたちの意欲を向上させることができるのです。

「痛い」の前に成す術もなく、ひるんではいけません。何らかの手を打たなくてはなりませんね。

☆鉄棒運動で生じる手足の痛さを忘れるくらい子どもたちを夢中にさせる教材づくりと教具の工夫をしましょう。

 そして、何よりも教師の熱意を!

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