体育授業ー21 (高学年)高学年の体育授業
◆高学年になると知的理解が深まります。「運動をしたい」という欲求は、中学年と変わりないのですが、どうすれば自分ができるようになるのか、を知的に探究することができるようになるのです。
また、自分が運動を得意か、苦手かということも自覚できるようになるため、運動の種目(領域)によっては、学級の子どもたち全員が楽しみにしている様相ではなくなってきます。
できた、できないが明確になる器械運動、とりわけ鉄棒運動を敬遠する子どもは少なくありません。
そして、低学年の頃は、ドッジボール、というと学級の子どもたちが全員喜んでいたのに高学年になると友達からの叱責を気にしてボール運動のゲームへのモチベーションを上げられない子どもも現れてきます。
運動能力についても、できる子ども、できない子どもがはっきり別れてしまい、その差を授業でいかに吸収するかが、教師の腕にかかっています。
高学年の子どもたちが泣いて喜ぶような体育授業を実践するためには、できるようになる過程を理解させることと友達との人間関係を肯定的なものにすることの2つが鍵となります。
この鍵さえ、しっかりと開けることができれば、高学年の体育授業は、中学年までには見られないような深い感動を子どもたちに味わわせることができます。