生涯学習で夢中になる世界へ 「教育は愛」No.19

人生訓

生涯学習ー1 生涯学習で自分が夢中になれる世界を持ちましょう

◆自分でいつまでも夢中になっていられる世界がある人は、いつもキラキラと輝いているものです。

 私の知り合いでも、戦国時代の歴史に夢中になり、文献や学会の発表を情報収集し、目を輝かせて研究を重ねている方がいます。

 また、陶芸をライフワークにして、ご自分の家に窯を構え、自分の思いを込めた作品を作り続けて、販売したり、陶芸教室を開いている方もいます。

 この方々に共通しているのは、自分の人生を楽しんでいるオーラを発していることです。

 令和の時代となり、学歴偏重の社会が、大きく是正されてきたとはいえ、まだまだ、学歴は、現在の日本社会には厳然たる地位を占めているのではないでしょうか。

 国の各省庁では、有名大学のキャリア組が、実権を握っている、とまことしやかに囁かれています。

 企業でもベンチャー企業やIT企業など多様化して、実力主義が重要視されてくる時代となりました。それでも今なお、大企業の中には、学歴による派閥がいまだに存在していると聞いたことがあります。

 こうした現状がある限り、学校教育では一流大学への進学指導から目をそらすことはできません。

 ある人気ドラマでは、「東大に合格するためには、暗記するのではなく、ものの本質を見極め考えることだ」と主人公に語らせていました。的を射た表現だと思います。これからのSociety5.0の社会を生き抜いていくためには、物事の本質を見極め、臨機応変に対応する力が求められます。

 平成の時代までは、一度就職したら、定年退職までその世界で生きていける世界でした。

 令和の時代に入り、これからは、今までのような一本道では生きていけなくなる可能性が高くなったのです。実際に、定期的に転職を繰り返すことがひとつのステイタス向上につながっている業界もあるそうです。

 そして、いつ、自分の進路を変更するか、その判断をするのは、自分自身なのです。

 ですから、人から正解を聞き、その解答をなぞるような力ではなく、自分で結果を予想して、判断する。その結果については人の所為にするのではなく、自省できる精神力も求められます。

 このように、より一層ストレスがかかってくることが予想される社会が始まっているのです。この社会の中で豊かに生き抜いていくためには、仕事以外に、夢中になれる自分の世界は、弾力性のあるメンタルを磨けるのではないでしょうか。

 仕事の人間関係で悩む、転職するか留まるか悩む、そんな時に、張り詰めた精神をギアチェンジできる自分だけの世界があれば、自分を見失わずに済むかも知れません。

 「壺中天有」の心境です。その世界に浸っていれば、心の底から集中できる、そういう世界を誰しも持ちたいものです。

 私も、ゴルフに夢中になっている時期がありました。当時は、ゴルフをしている時、この心境に近づけたと思います。

 特に、所属しているクラブの月例大会では、ハンディキャップを基に組まれたメンバーと一緒にプレーします。知り合いの仲良しゴルフではないので、会話を楽しむのではなく、ただひたすら、ボールをカップに入れることに全神経を集中させることができました。

 月例大会でよい結果を出すためには、練習もします、本も読みます、プロからレッスンも受けます。仕事以外でこれだけ時間と労力をかけるには、好きでなければできません。

 ゴルフに夢中になることによって、仕事のストレスを解消し、職場以外の自分を見出すことができたのです。

 現在では、ゴルフからは卒業し、さらに夢中になれる世界を見つけました。この世界のお蔭で、仕事にも日常生活にも、もっと言えば人生にも反映させ、胸を張って生きることができています。

 社会教育、もっと広く捉えれば生涯学習は、とても広い世界です。

 学校では学べないことを見出し、生きている限り没頭出来るフィールドでもあります。

 自分の人間らしさ、自分らしさを見出すチャンネルとなり得るのです。しかも、期限はありません。

 いつからでも、いつまでも学べる教育の世界、それが、生涯学習の世界です。

※「生涯学習」には、学校教育における学習、家庭教育における学習、社会教育における学習、個人学習のすべての学習が包含されます。

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