教師ー21 教師も感動体験を!
◆年末は、何本かの「忠臣蔵」をテレビで視聴しました。そして、「南部坂雪の別れ」の場面では、どうしても感動して目頭が熱くなってしまいます。
子どもたちの心を豊かにする前に、教師自身が感動することが大切だと思います。
感動とは、机上の勉強では湧き上がることはありません。音楽、スポーツ、演劇、物語、自然の美しさ等々・・・感動の素材は何でもよいのです。
胸が震え、心が熱くなるような思いを教師自身が経験してほしいと思います。
職場の仲間に「忠臣蔵」の話をしたところ、ほとんどの若い教師は「名前は聞いたことはありますが、内容は知りません」という答えが返ってきました。
私は、「忠臣蔵」は、日本人が持っている忠義や信念、思いを秘める奥深い登場人物の人柄などが大好きです。特に、リード文に書かせていただいた「南部坂雪の別れ」の場面は、何度見ても目頭が熱くなってしまいます。
このシーンは、歴史的には架空のエピソードだと言われています。しかし、「忠臣蔵」の物語を劇的にする上で、大変効果的であり、ひとつのヤマ場です。
大石内蔵助の人柄、信念の強さ、それを推し量れなかった瑤泉院、厳しく内蔵助を叱責すればするほど、内蔵助の心情を想像し、もどかしい思いが胸を駆け巡ります。
そして、内蔵助が別れを告げた後で、血判状を見た時の瑤泉院の驚きと後悔・・・
日本人が大好きな人情話です。
私は、「忠臣蔵」には日本人の心の源となるエキスがいっぱい詰まっていると思います。
こんなことを言うと、また、昭和の年寄りの戯言と思われてしまうかも知れません。
何はともあれ、子どもたちの心を豊かにする役目を担った教師は、自らの心を豊かにするための感動体験を沢山してほしいと思います。