職場-1 出勤は30分前の余裕を持ちましょう
◆勤務開始時刻になると、滝のように仕事が流れてきます。一度流されると、ブレーキが効きません。そこで、朝30分間早く出勤すると自分で一日の流れをコントロールできるようになります。このことに気付いたのは、仕事に就いて15年以上経ってからでした。
初任者の頃、私は勤務開始時刻ギリギリに職員室へ飛び込んで、朝の集会の時に、コッソリと隠れるようにしてパンにかじりついているような未熟者でした。このような状態ですから、仕事が始まっても心と体のスイッチが入らず、何事も後手後手に回りました。
それでも、反省することなく、同じことを繰り返す日々を続けてしまいました。仕事に対するする真摯な姿勢に欠けていました。給料をもらっているのにプロ意識が希薄な若者でした。
やがて、体育科教育を本気になって勉強するようになってから、やらなければならないことが毎日、山のようにあることに気付いたのです。
体育主任になってからは、誰よりも早く出勤して、校庭にブラシをかけ、授業に必要な白線を校庭に引きます。夏場のプールシーズンでは、プールの底に異物が入っていないか、実際に潜水して泳ぎながら確かめ、その後、薬剤を入れて水質の衛生管理を行いました。
これらのルーティンをやりこなすためには、勤務開始時刻の1時間半前には出勤していなくてはなりません。そして、この時刻に出勤していると色々な面で余裕を持つことができました。体育関係だけでなく、急な対応や事故対応、雪の除雪作業等、学校全体に関わることについてもお役に立てるようになったのです。
こうなってくると、一日の流れも自然と好転していきます。仕事がよい方へ、よい方へと回っていきました。
以後、私は、職場が変わっても、役職が変わっても、変わることなく職場で一番早く出勤することが習慣となりました。
だからと言って、職場で一番早く出勤することを勧めるようなことはしません。それぞれ家庭のご事情もあります。ただ、初任者時代の私のように勤務開始時刻ギリギリの出勤はお勧めできません。5分でも10分でも早く出勤すると次のような良いことがあります。
ひとつは、早朝だと頭が冴えているので、文章や物事の企画を考えるにはもってこいです。思っている以上に仕事がはかどります。
二つ目として、仕事に先手を打てることです。自分が出勤するのを待たれて、出勤したと同時にアレコレ指示されると自分のペースで仕事することができなくなります。朝一番でこれをやられると、今日一日が、仕事に追われてしまい、守勢一方になってしまいます。
三つ目として、一日の準備をあらかじめやり終えることができるので、急な仕事に対しても対応できるということです。往々にして急な仕事というのは、緊急対応が多いものです。緊急時に頼りにされるということは職場でのステイタスも上がります。
「早起きは三文の徳」と言われますが、三文よりももっと大きい徳を得られるのではないでしょうか。
特に職場の仲間や上司から信頼されるということは、色々な意味で大きくプラスに働きます。それよりも何よりも、いい仕事をする上で、ちょっと早めに出勤する習慣を付けてみてはいかがでしょう?
一日の仕事の流れがガラリと好転するはずです。