家庭教育ー20 Excuse me
◆電車に乗っていると、幼稚園生くらいのお子さんに、席を立って降りる時に、お母さんが「すみません、と言うのですよ」としきりに指導しています。その姿を見て、「すみません」と言う気遣いは、教えられないと身に付かないものだということに改めて気付きました。
電車で空いている席に座ろうとする時、「すみません」と言って、頭を下げられると、気持ち良く少し横へ詰めることができます。例え、横のスペースがなくても、座り直す仕草をして、座ろうとしている人への気遣いができます。
反対に、十分なスペースがないところへ、いきなりものすごい勢いでドカッと座る人もいます。ほんの数分間のお隣とは言え、いい気分はしません。
私は、英国とアイルランドしか海外を知りませんが、英国では、笑顔で「Excuse me」をいろいろなところで使います。ちょっと、肩が触れあうだけでも「Excuse me」と言って、お互い笑顔を交わしているのです。
また、エレベーターを降りる時も「After you」と言って、女性やお年寄りを先に降りていただくことも自然でした。
私は、これは国民性かと思っていました。しかし、このような気遣いは、自然発生するものではないでしょう。英国でもきっと、親が社会常識・マナーのひとつとして、子どもの頃から教育していたのだと思います。
冒頭の母親も、幼い子どもに繰り返し「すみません、と言いなさい」と教えていました。きっと、この母親に育てられた子どもは、狭い通路をすれ違う時、電車やバスの座席に座る時、知らない人との何気ない関わりの中で「すみません」と言えるようになるでしょう。
学校でも、ちょっとしたことに対してでも「ありがとうございます」と笑顔でお礼を言える子どもがいます。これは、幼い頃からの家庭教育が染みついているのでしょう。
挨拶をしましょう、お礼を言えるようになりましょう、と言っても、幼い頃から習慣になっていない子どもにとっては、ハードルが高いのかも知れません。
家庭教育で習慣となるまで昇華させておくこと、「すみません」の他にも多々あるのではないでしょうか。