孤独 「教育は愛」No.362

管理職

管理職ー27 孤独

◆長嶋茂雄さんの追悼番組の中で、過去のインタビューが放映されました。その中で、長嶋さんは「孤独かな、孤独に耐えられないとだめでしょうね」というコメントがありました。深いコメントです。

 長嶋さんは、現役時代も長嶋さんを教えるコーチはいなかったそうです。天下の長嶋さんにコーチして、調子を崩しでもしたらとんでもないことになる、そんな思いからなのでしょうか。ですから、長嶋さんは現役時代から、自分自身でスイングを磨き、コンディションを整えたそうです。

 また、監督になられてからも、常に明るく、ファンのために笑顔を絶やすことがありませんでした。しかし、その影で、誰にも言えない苦しみや悩みも数多くあったのでしょう。

 孤独、自分でその苦しみや悩みを解決しなければならなかったのでしょう。

 今、校長職を何年間か続けて、ほんの少し、孤独の意味が分かるような気がします。

 子どもたち、保護者・地域の皆様、教職員の前で、弱音を吐いたり、泣き言を言ったりすることなどできません。常に明るく、ポジティブに考え、言動しなければなりません。

 世の経営者は、皆さん、同様ではないでしょうか。

 校長になって初めて、孤独の意味が分かるようになるのです。

 教頭職までは、教職員とワイワイ、ガヤガヤ、仲間意識をもって、仕事を進めることができました。しかし、校長職になると、常に辞表と隣り合わせの状況になります。今日で、退任することもあり得る、そんな覚悟をもって家を出るのです。その気持ちを誰かに分かってほしいなどとは土台無理な話です。到底、理解してもらえるものではありません。

 しかし、慣れてくると孤独をそれなりに楽しむことができるようになるものです。

 私は、孤独を感じる時は、机上の長嶋茂雄さんのお写真を見て、語りかけることにしています。

 すると、長嶋さんは、いつも笑顔で、明るく、優しく、私に話しかけてくださいます。

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