管理職ー29 成果の出にくい世界
◆ある研修会で、講師の先生が「校長職は、成果が出にくい世界だから経営が難しい」とおっしゃっていたのが深く印象に残りました。私は、校長職も含めて教師は、プロスポーツの世界のように成果が明らかにならないから、そこに甘えが出る、という持論をもっていました。しかし、講師の言葉を聞き、納得できる境地になってきたのかも知れません。
プロスポーツが大好きな影響もあるでしょう。特にプロ野球が大好きで、プロ意識をもちファンのために一生懸命に努力されている選手や監督に感銘を受けてきたものです。
その最たる方が長嶋茂雄さんです。プロは、人知れず努力を重ね、ゲームという舞台で感動を与えるようなプレーを魅せる、それこそ、プロフェッショナルの鏡だと思っています。
それに比べて、学校というフィールドでは、結果を有耶無耶にして、努力しないままキャリアを積んでしまう、そんな否定的な見方をしてきました。
校長職も同様です。悪いのは自分ではなく、教職員の所為、子どもたちの所為、自分のことを棚に上げて、絶えず人の所為にする残念な人たちを見聞きしてきました。
学校経営や教師の教育力は、人事評価が進んできたものの、なかなか数字で正しく測ることはできにくいものです。これは、教育、学校という世界の特殊性でしょう。客観的に優劣を付けられない世界なのです。
だからこそ、教師の教育力や校長の学校経営は、一筋縄ではいかないのです。
教師自身や校長自身が、自分で考えた厳しい基準に照らし合わせながら、それを成果として確認し続ける必要があるのです。
今、私は校長職を日々挑戦させていただいています。幸せなことです。私の教育信条は「教育は愛」です。教育を行う学校のトップリーダーとして、子どもたち、教職員、保護者・地域の皆様へ、愛情を傾けているつもりです。
その結果、全ての教職員が子どもたちに愛情を傾け、学校としての「和」、「凝集性」を高めたいと考えています。
そして、保護者・地域の皆様との絆を深め、学校・家庭・地域が鼎のように安定して、子どもたちに教育活動を展開できることを目指しています。
愛と笑顔の溢れる学校の中で、子どもたちの学力、体力、思いやりの心をはぐくみ、高めていくこと、それが私の学校経営の目指すところです。