学校教育ー80 教師の指導性
◆6年生の学級活動の授業を参観しました。自分たちの学級についてのアンケートを基に、自分たちの学級の強みと課題をディスカッションしながら、整理して、より良い学級を作ろうという意識と意欲を向上させることがねらいです。
令和の日本型教育では、教師はファシリテーターとしての機能を磨いた方がよいとする考え方があります。教え込む教師、知識を与える教師ではなく、子どもたちがICTを活用して収集した情報や知識等を子ども自身が整理し、学習できるようにファシリテートするのが教師の役目とする考え方です。
確かに、これからの教師には、そうした力が必要になるでしょう。
しかし、子どもたちに話し合わせるだけでなく、子どもたちの意見を方向付けていく指導性も必要だと考えます。
今日の授業では、学級の凝集性が高まっているので、自由闊達な意見が出されます。その意見を教師が肯定しながら、黒板に上手に整理していました。その整理の仕方が見事で、子どもたちは、自分たちの意見がどのような報告へ向かっているのか、一目で分かるようになっていったのです。
まだ、経験の浅い教師でしたが、日頃から教材研究を欠かさず、子どもたちの心に寄り添っているため、阿吽の呼吸で黒板が整理されていきました。
これこそ、教師の指導性が発揮されている場面だと感心しました。
子どもたちの意見は、タブレットPCのソフトを活用して瞬時に、全員の意見を集約することもできます。
しかし、意図的・計画的に学習を成立させることも教師にとって欠かせない力ではないでしょうか。
時には筋書きのないドラマの授業もよいと思います。
それは、今回の授業のように教師が指導性を発揮して、シナリオ通りにドラマを運べるようになってからでも遅くないと思います。