雑草 「教育は愛」No.384

学校教育

学校教育ー83 雑草

◆そもそも雑草という植物はありません。人間が、必要と思う植物以外に、自然と生えてくるような植物のことを雑草と呼んでいるのです。その雑草を抜き、庭の手入れをしていたのですが、どこか、教育と似ているなぁ、と思いました。

 庭には、好きな花を植えています。プランターには、野菜も植えています。さて、雨が降り、気温が上昇すると、花も成長していますが、植えた覚えのない草があちらこちらに目立つようになりました。

 その勢いは、楽しみにしている花の背丈を凌ぐ勢いです。肥料を上げている訳でも、特に水を与えている訳でもありません。それでもグングンと伸びています。

 そのたくましさからかつて巨人軍のエースだった上原浩治投手の「雑草魂」という言葉を思い出しました。

 さて、教育は子どもたちの未来を拓くために必要と思われる力をはぐくんでいく行為です。教育内容は国で定められています。私たち教師は、その定めである「学習指導要領」に則って授業を組み立て、子どもたちが主体的に学んでいけるような指導方法を研究しています。

 子どもたちの側に立ってみると、興味関心は多岐に亘っています。必ずしも、学校の授業だけを楽しみにしているのではありません。ゲーム、外遊び、スポーツ、楽器演奏、読書、テレビ、YouTube等々・・・今やりたいことは、沢山あります。

 これら全てを雑草だとは思いません。大切なことは、子どもたちが授業や教科学習に集中できるような環境を整えてあげること、それが雑草抜きだと思うのです。

 やりたいことに埋もれながら、学業の優先順位を下げるようなことがないように。

 そして、学業の勉強を柱に置きながら、自分の個性や能力を磨く上で、その他の興味・関心があることに没入すればよいのと思うのです。プランターに育てる植物ごとに植えて世話をするようなイメージです。

 やがて、その関心の中から自分の職業や夢に結びつくものだってあるかも知れません。

 大切なことは、少なくとも義務教育の間は、学校で学ぶべき学業に集中できるような環境を周囲の大人が作ってあげることだと考えます。

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