究極の訓練 「教育は愛」No.387

学校教育

学校教育ー85 究極の訓練

◆学校では、危機に対する幾つもの訓練を実施しています。避難訓練もそのひとつです。訓練は、私が小学生の頃から同じです。大地震が発生、給食室から出火、運動場へ避難する、というパターンです。この訓練をもっと、リアルに実行力を養うことができるような内容にできないものでしょうか。

 まず、この訓練は誰のための訓練でしょうか?

 子どもたちに避難行動を理解させるための訓練なのか、子どもたちの命を守り抜くための教師行動の訓練なのか、私は、この根幹部分が実に曖昧なまま訓練が実施されていると思います。

 子どもたち、教師、いずれも対象にしています。そう、それが正しいでしょう。

 子どもたちに命を守る避難行動は確実に理解させ、できるようにしなくてはなりません。しかし、それは本番の訓練の時だけでなく、事前に各学級で予習しておく必要があると考えます。事前に行動を身に付けた上で、避難訓練でもできるようになれば、合格です。

 そして、教師行動です。子どもたちの命を守るために、一人ひとりの教師がどのような行動をとればよいのか、確認し、訓練するのです。

 しかし、ここに形骸化を感じています。実際には、どのような状況で子どもたちを避難させるのか、計画通りにはいかないものです。教師には、臨機応変な判断と行動が求められるのです。

 本日、私がお世話になっている職場でも避難訓練についてディスカッションがありました。

 昨年度より首都直下の地震に対応する避難訓練に創意工夫しながら取り組んでいるため、教師は計画通りにいかないことが多々あることを頭に入れながら多様な意見を出してくれました。

 結果、火災発生の非常ベルが鳴ってから、放送による誘導ではなく、その場で臨機応変な行動をとれるよう訓練する方法が理想的である、という論が導かれました。

 実際に、それをどこまで具現化できるのか、今後に期待するところです。

 教師についても基本行動は頭に入れておきつつ、その場でどのような行動がとれるのか、チャレンジしてみる訓練。

 教習所のコースで練習するのではなく、一般道路で仮免許教習をするような避難訓練こそ子どもたちの命を守り抜く実践力に結びつく「究極の訓練」なのではないでしょうか。

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