学校教育ー91 Well-Being
◆長年教師をしていると子どもたちの優しさに心が洗われる思いを何度もしています。自分自身に向けられた優しさも数限りなくありますが、校長になってから、子どもたちが担任教師に対して優しい心を注いでくれる場面を沢山見てきました。
子どもたちが、校長室を訪ねて来ます。聞けば、近いうちに担任の先生へサプライズで、寄せ書きをプレゼントするので、できれば、私にも一言書いて欲しいというリクエストでした。喜んで、お祝いのメッセージを書かせていただくと、満足そうに校長室を後にします。そして、「校長先生、このことは担任の○○先生には、絶対に内緒ですよ」と念を押されます。
なかには、メッセージだけでなく「○月○日の○時間目に、担任の先生に寄せ書きをプレゼントして、歌をうたいます。もし、お時間があれば校長先生も教室まで来て一緒にお祝いしていただけませんか?」というリクエストもあります。
もちろん、喜んで引き受け、子どもたちと一緒に歌をうたい、お祝いの挨拶もさせていただきました。子どもたちの優しさに幸せ感いっぱいの担任教師、そして、私。
今、お世話になっている小学校では、教師のお誕生日や年度末に、子どもたちが自主的に寄せ書きやメッセージカードを書いてプレゼントする場面を沢山見ています。本当に優しい子どもたちです。
私自身も、全学級からのメッセージをつなぎ合わせて、大きなメダルにしてプレゼントをいただいたこともあります。あの時は、目頭が熱くなってしまいました。
自分が幸せになるためにはどうすればよいのか?それは、他人の幸せを願うことだと思います。他人の幸せを願い、行動すれば、その思いは必ず自分にも返ってくるものです。
思われたければ、まず、思うことが大事なのです。
愛されたければ、まず、愛することです。
きっと、本校の子どもたちは、家庭教育の中で沢山の愛を受けて育ってきているのでしょう。そして、その喜びを家族の誕生日やお祝いに形にして表現しているのではないでしょうか。子どもたちは、とても自然体で他人の喜ぶ姿を見て、喜びを感じているのです。
これが、Well-Beingなのだと思います。「愛すること」が響き合い、自分を含めて、自分の周囲の人たちが皆、幸せになる姿を見て、幸せを感じているのです。
教師も同様です。子どもたちに負けないくらいの愛情を日頃から、子どもたち一人ひとりに注いでいます。愛の連鎖が学校全体に優しさの灯を点しているのです。
「教育は愛」