学校教育ー92 愛校心
◆今、「愛校心」という言葉そのものが聞かれなくなりました。自分の学校に誇りをもち、スクール・スピリッツをもって生活する、私は大切なことだと思います。
私が今、お世話になっている学校では、卒業されて何十年の月日が経っているのに、ずっと変らぬ「愛校心」をもち続けていらっしゃる地域の方が沢山いらっしゃいます。
図書ボランティアさんの最年長の方は、90歳を超えていらっしゃいます。もちろん、本校の卒業生です。その方は、小学校時代に絵画で入賞されたことをきっかけに、絵画が大好きになり、その才能を磨かれたそうです。今でも、現役の保護者の方と一緒に、手作り絵本の製作活動に取り組んでくださっています。その方とお話しをさせていただくと、当時の学校の様子や地域の様子を詳しく教えてくださいます。とても参考になり、お話しをお聞きしているうちに、私自身の本校への「愛校心」が高まっていくのを感じています。
その他にも、地域の方と挨拶を交わしながら、何十年前の校長先生のお話や授業の様子などをお聞きする度に、本校がいかに愛されているか、を実感しています。
私たち教職員は、数年で異動してしまいます。しかし、私たちが指導している子どもたちは、先ほどの図書ボランティアさんのように、自分だけでなく、子ども、孫まで本校で学ぶことになるかも知れないのです。
だからこそ、私たち教師は、子どもたちに本校への「愛校心」が高まるような教育を推進しなくてはならないと考えています。具体的には、本校の教育活動により、子どもたちが自信をもち、忘れられない感動や楽しい思い出をいっぱい経験させることです。
地域の方は、卒業されて何十年間の月日を経ても、運動会や修学旅行、卒業式の思い出を懐かしそうにお話ししてくださいます。そして、「私は、今でもこの学校のことが大好きなんです」とおっしゃるのです。きっとその後に、このような言葉をつなげたかったのではないでしょうか?「だから、校長先生、この学校の良さをずっと守ってくださいね」と。
私は、校長として、900人を超える子どもたちのすべてが、本校を愛することができるような教育活動を推進していきます。それが、本校に「愛校心」をもち続けてくださっている地域の皆様の願いであり、私の使命なのですから。
愛と笑顔の溢れる学校づくりをめざして。