体育授業ー41 「遊び」の条件
◆体育授業の教材づくりでは、教材に子どもたちにとって、「遊び」の条件が揃っているかが、ポイントになります。「遊び」と言っても遊興やシャレのことではありません。“運動遊び”のことです。
子どもたちが夢中になる運動遊びの条件が3つあります。これも髙橋健夫先生からご指導いただき、自分でも何度も検証した内容となります。
その1 絶えざる挑戦性があること
遊んでいるうちに挑戦する内容が次々と難しくなっていく仕組みのことです。例えば、跳び箱を3段跳べた→4段、5段と高さが変る→跳び箱を1台だけでなく、2台、3台と連続して飛べる→跳び箱を跳んだ後、前転する・・・という仕組みです。このように挑戦性を高めていけば、無限に遊びは難しいものとなるのです。ゲームでラスボスが出て終わり、ということはありません。
その2 自然と複雑な遊びへと進化すること
これは、その1と共通する部分があります。その1では、教師が次の挑戦課題を提示するのですが、その2は、子どもたちが遊んでいるうちに、工夫して進化していくのです。
的当てゲームをしているうちに、少しずつ、的までの距離を遠くしていく、さらには、複数あった的の数を減らしていく、これは子どもたちが遊びながら自然と発想できる内容です。それが高度になれば、その1のような工夫も子どもたちだけでできるようになるのが理想です。
その3 めあてが明確になっていること
これは、遊びの重要なポイントです。どのような状況になれば、クリヤーするのか、客観的になっているのが“めあて”です。昭和の遊びになりますが、面子遊びでは、面子を打って、相手の面子を反転させれば勝ち、ベーゴマ遊びでは、相手のコマを場からはじき出せば勝ち、といった客観性がありました。このように誰が見ても一目で勝敗、成功・失敗が解るようになっている遊びが重要なのです。
こうして、3つの条件を備えた教材は、子どもたちにとっていつも「ハラハラ、ドキドキする」運動遊びになっているのです。