校長先生になった理由 「教育は愛」No.442

管理職

管理職ー40 校長先生になった理由

◆3年生の国語の授業でインタビューを受けました。各学級から集まった約35人の子どもたちが、教室で私を待ってくれました。子どもたちは、次々と手を挙げて私に質問をしてくれます。

 子どもたちは、あらかじめ私への質問を考えてくれていたようです。そして、子どもたちとの1問1答が始まると、それに合わせた質問を考え、また質問してくれる、といった感じです。

 管理職になると子どもたちとのふれあいがなくなる、と言った人がいました。しかし、私は校長になってからも子どもたちとのふれあいを欠かしたことはありません。朝の登校の見守りから、下校まで、子どもたちとは、いろいろな場面でふれあっています。

 今回の3年生の取材も、まるで授業をしている感覚でした。キラキラ輝く子どもたちの瞳、まっすぐに寄せられる質問、教師としての生き甲斐を感じられるひとときでした。

 さて、子どもたちの質問に「なぜ、校長先生になったのですか?」という定番の質問がありました。私は「愛と笑顔の溢れる学校をつくるためです」と答えます。

 担任時代は「愛と笑顔の溢れるクラス」はつくることができます。しかし、クラスから一歩出ると、そこに「愛と笑顔」が溢れているとは限りません。そこで、担任としての限界を感じたのです。

 体育主任として、全児童に号令をかけ、運動好きな子どもたちをつくるリーダーにはなれます。しかし、愛と笑顔の溢れる学校をつくるとなると、やはり校長先生しかいません。

 校長は、学校全体に自分のビジョンを掲げ、教育活動をマネジメントできるからです。

 3年生の子どもたちと過ごした時間は、愛と笑顔が溢れていました。私が理想として掲げる「愛と笑顔の溢れる学校」の姿がここにはありました。

 私が校長になった理由、それは、子どもたちとこのような時間を過ごせる学校をつくるためだった、と教室を出ながら嬉しさを噛みしめました。

 一人の男の子が私の後を追い、「校長先生、今日はぼくたちのために時間をつくっていただきありがとうございました」と深々とお辞儀をしてお礼の言葉をプレゼントしてくれました。私は「こちらこそ、楽しい時間をありがとう!」と握手しました。

 その手のぬくもりが深く心に染み入りました。

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