訓練の後で 「教育は愛」No.444

学校教育

学校教育ー99 訓練の後で

◆避難訓練を実施しました。地震のあと給食室から出火の想定で、運動場へ避難します。9分間で900人を超える子どもたちが避難完了、ここで訓練は終了します。しかし、大変なのは、この後だと思うのです。

 何十年もこのパターンで避難訓練をしてきました。しかし、細かな状況を変化させ、訓練を重ねているうちに、私たちもこれでよいのか?というクリティカル・シンキングが働くようになりました。

 9月とはいえ、残暑が厳しい日が続いています。万が一、地震の後、給食室から出火したら? 消防車、救急車の進入路を確保しなくてはなりません。給食室に近づくためには、教職員が駐車している車を移動させなくてはなりません。しかし、教室から子どもたちを連れて運動場に避難してきた教職員の多くは、車のキーを持っていません。職員室は、煙が回っているため入れません。

 また、子どもたちは、保護者の方に学校まで迎えにきていただき、安全に引き渡ししなければなりません。運動場で、スマホから保護者へメールを発し、保護者の到着を待つまでどのくらいの時間を要するのでしょうか。その間、校舎に入れない子どもたちは、炎天下の運動場に少々点在している木陰で待機するのです。水は、校舎のタンクを介さない水道直結の蛇口が幾つかあります。問題はトイレです。

 900人を超える子どもたちを安全に待機させ、保護者の方へ引き渡すために、教職員は何をしなければならないのか、そのことを考えると本当の訓練は、避難した後が本丸だ、と思わざるしかありませんでした。

 大事なのは、訓練を通して、いろいろなことを想像し、シュミレーションしておくこと、職員間で熟議しておくことだと思います。

 先日も、教職員の危機管理訓練で、訓練の後に熟議して、トランシーバーとAEDの目隠しを購入するよう手配しました。訓練をして満足しているだけでは、訓練の本当の目的に迫れないことを感じ、背中に冷や汗をかきながら対応策を検討しているところです。

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