学校教育ー107 時間の使い方
◆授業の要素には、教材づくり、教師行動、子どもたちの自己評価・相互評価、場づくり等、いろいろな要素があります。教師は子どもたちの発達段階や実態に応じて、これらの要素を組み合わせて授業を構成していきます。
私は、体育授業の研究を通して、これらの要素を組み合わせ、工夫して授業を実践していました。そして、授業の要素に組み入れるのに最も難しかったのが“時間の使い方”でした。
導入、展開、相互評価、教師の評価場面、45分間の授業の中には、それぞれ、意味のある時間が積算されています。
私は、教師主導で時間を設定するのではなく、子どもたちが準備運動の時間や技・動きの練習時間、見合いの時間などを設定できないものか、と試行錯誤してみました。
子どもたちは、自分で時間の予定をカードに書き込み、実際に活動(学習)していきますが、運動している内にすっかり時間の感覚や意識は飛んでしまいます。“今”に夢中になってしまうのです。
そこで、子どもたちに時間を知らせる目安として、5分後に音楽を鳴らすなどの工夫もしてみました。音による時間の認識は効果がありました。また、子どもたちに親しみやすい音楽を流し続けて、その曲が終わるまで活動(学習)を続けさせることも効果的でした。
しかし、子どもたちに45分間の中身の積算を学習させるには、なかなか骨が折れました。時間をマネジメントするためには、45分間を俯瞰してみることができる目を養わなくてはならないからです。
これは、教師でさえ、難しいものです。研究授業になると夢中になってしまい、終了時刻を延ばしてしまう教師を沢山見てきました。私自身も、終了時刻をオーバーしてしまうこともありました。
それだけ、時間の使い方を学習させることは難しいのです。
だからと言って諦めてはいけません。子どもたちに、時間をマネジメントできる能力を身に付けさせる指導方法を絶えず研究する必要があると考えています。