管理職ー42 相手の立場になって考える
◆管理職になると、子どもたち、保護者、地域、教職員、教育委員会と様々な人たちと信頼関係を紡いでいくことが求められます。私は、人生の師、長嶋茂雄さんから学んだリーダーとしての基本“誠心誠意”をモットーに学校を取り巻く様々な人たちと接しているつもりです。そして、最近感じることがあります。
それは、相手の立場になって考える、ということです。中には、信じられないような事を言ったり、行ったりする人がいるものです。子どもならまだしも、大人でこのような人に会うと絶句してしまいます。
しかし、一時的に「信じられない!」「まさか・・・」と思うような言動と遭遇した時でも、冷静に相手の立場になって考えてみると、なぜ、そのようなことを行ったのかが理解できるようになります。
相手の立場になって考えるとは、相手の状況、家庭状況、健康状況等々、全てに思いを馳せる、想像することです。
もし、自分が相手と同じような状況にいれば、つい、怒りの矛先を向けてしまうのも無理はないか、と考えられるようになるのです。
そして、一時的に感情的になっても、冷静に相手の立場になって考えることができた時には、達観し、心安らかになった自分を見出すものです。この状態になると物事を冷静に判断し、行動できるようになります。
このような思考回路が、管理職に求められるのではないでしょうか。
何も、理不尽なことを言ってきた人に迎合しろ、と言っているのではありません。その人の立場になって考えると、いろいろなものが見えてきて、冷静な自分を取り戻すことができるということを言っているのです。
冷静な判断力を用いれば、理不尽な要求に対しても、相手の心に寄り添った言葉を使って断ることができると思います。
相手の立場になって考えられるようにするためには、情報収集力と想像力を磨くこと、そして、自分の心を制御できる強い意志を鍛えることが肝要です。
それが、管理職の“誠心誠意”ではないでしょうか。