改善か、イノベーションか 「教育は愛」No.476

学校教育

学校教育-108 改善か、イノベーションか

◆ある電機メーカーが新型のゲーム機を世に出す苦労を描いたテレビ番組を視聴しました。その中で「改善かイノベーションか」を選択するターニングポイントが語られていました。これは、私自身、子どもたちと接する上で常に頭に入れておかねばならない、と考えていることと重なりました。

 そのドキュメンタリー番組では、ゲーム機という新しい分野に踏み出そうとする社員の奮闘が描かれていました。反対意見の多い中、管理職の一人がこう語っていました。

 「改善か、イノベーションか、イノベーションを起こすには、人と異なる感性や考え方、そして、狂気に似た熱意を燃やせる者が必要だ」

 そう言って、開発のリーダーの意見を全面的に受け入れ、支援したという話です。

 教育は、“改善”が主の世界です。新しい価値観や手法を発明、発見しようという分野ではありません。

 しかし、子どもたちと接する時、レベルから少々逸脱していても、一事に夢中になれる子どもがいれば、その一事を大切にしてあげることが必要だと思うのです。同調圧力に迎合するのではなく、自分の思いや意見を持っている子どものことを「ひょっとすると、この子はイノベーターになるのでは?」という目で見てあげることが肝要です。

 世の中の為に大きな貢献をしている人の中には、子ども時代、“ちょっと変った子ども”と言われていた人が多いものです。それでも一事に没頭し、のめり込む中で、世の中が驚くような発見、発明をするのです。

 子どもたちには、子どもたちの数だけ、可能性と未来があります。その一つひとつをあたたかく励まし、支えることが教育の世界にはもっと必要なのではないでしょうか。

 変っていること、に対する考え方、捉え方の寛容のボリュームを上げることが大切なのではないでしょうか。

 ドキュメンタリー番組を視聴して、その思いを強くしました。

タイトルとURLをコピーしました