生涯学習ー90 七味
◆弘兼憲史氏の著書『弘兼流 人生は後半戦がおもしろい』(2025中央公論新社)を興味深く読ませていただきました。その中で、「七味」がとても印象に残りました。
以前、テレビ番組で「七味」を聞き、メモしようとしたのですが、正確に記録できなかったのです。
今回の弘兼氏の著書で、その実態が明らかになり、とてもスッキリしました。
次の一節です。
「~自分と他人とを比べることで生まれる“悪しき感情”があります。第一勧業銀行(現みずほ銀行)在職中に作家デビューした江上剛さんの『人生に七味あり』という小説に登場する「七味」です。「七味」とは、うらみ・つらみ・ねたみ・そねみ・いやみ・ひがみ・やっかみ ー。どれもが嫌な感情です」
これらの「七味」は、自分と他人とを比べる悪しき感情だと述べられています。
自分のことだけを謙虚に振り返り、生活していれば、他人がどうであれ気にならないものです。
とは言うものの、自分と同期の者がどのような状況に置かれているか、ついつい気になってしまうものです。
人は、人との関わりの中で生活しています。仕事をしていれば、年上、年下の者とも支え合いながら毎日を過ごしていかなくてはなりません。
その中で、自分が他人よりも優位な立場にありたい、と願うことは当然の感情だと思います。時に、自分の方が頑張っていると思っていたのに、年下の者が重用されることもあるでしょう。その時に、素直に後輩の成功を喜べるものでしょうか?
このような時には「七味」が自然と心の中に広がっていくものです。
仕事だけでなく、人生には、このような場面がつきものではないでしょうか。
全てにおいて、他人より優れている、優位な状況、成功ばかりを収めることなどあり得ないことです。
人間なのですから「七味」は出てくるものです。そのことを理解して、自分の良さや恵まれていることを見出し、自分のことを愛し、肯定することが必要なのだと思っています。
そう、自分は自分なのです。この世にたった一人しかいない自分なのです。
他人ではなく、まずは自分が一番自分を愛し、信じてあげることが「七味」に毒されない生き方ではないでしょうか。

