職場ー6 呆れてしまう人を反面教師にして学ぶ
◆職場では、出会った人たちが生きた教科書になります。素敵な人もいれば、その逆の人もいます。色々な人との出会いによって私たちは喜怒哀楽を重ねています。
中国の『十八史略』には、4,517人の人物が登場すると言われています。ですから、読めば読む程、人間に関する見方・考え方を勉強できると言われています。私たちの身近にいる人に似ている人が必ず登場して来るからです。
そして、その人物の行動や末路を知ることにより、人物眼が養えるというのです。
今回は、私が伝え聞き、反面教師として勉強させていただいた人たちをまとめてみました。
伝え聞いた話ですので、実際にあった話かどうかは定かではありません。信憑性に欠ける面もありますので、ひとつの話として聞き流していただければと思います。
●自分が勤務している学校は自分にはふさわしくないと思い込み、教職員を日頃から小馬鹿にして、納め会の挨拶を全て英語でスピーチした開き直った管理職
●自分の処遇に不満を持ち、人事担当者にわざわざ嫌みの電話を入れた管理職
●来年の自分の人事異動を勝手に予想して流布し、その通りにならなかった管理職
●「どうせ、この学校には1年しかいないでしょうから」と地域の方に挨拶した管理職
●「自分の後釜が見当たらない」といつまでも現在の職に固執して留まり続けようとした管理職
●自分の話を保護者全員が聞きたがっていると信じ込み、学校説明会に300席の椅子を用意させたのに、実際に出席したのは僅か2人、その2人を対象に説明会を開いた管理職
●次は自分の番だと、上司におべっかを使い、虎視眈々と狙っているのが、丸見えだった管理職
●口を開けば、過去の自慢話、しかも同じ話を何度も繰り返す管理職
真偽のほどはわかりませんが、実に興味深い人たちです。
私は、このような話を聞く度に、この人たちが置かれている状況を推察し、なぜそのような行動をとったのかを想像し、自分なりの結論付けをしてから自分の引き出しに整理するようにしていました。
今回、取り上げた人たちは、管理職ばかりです。それ以外の人も含めると、もっとバリエーションが豊かになり、引き出しは満杯になります。
まさに職場は、人間勉強の道場です。
『十八史略』に自分が出会った人や今回のように伝え聞いた人を照らし合わせてみると、もっと興味深く勉強することができます。
私は、越王のもとを去った范蠡の件が印象に残っています。
范蠡から文種に送った手紙「越王の人相は、首が長く烏のようなとがり口をしている。苦難を共にできても安楽を共にできません。あなたも立ち去った方がよいでしょう」
結局、范蠡の忠告を聞き、立ち去らなかった文種は、非業の結末を迎えてしまいます。中国の人相学は命をかけて磨かれてきたものだけに、実に興味深いものです。
人間勉強の場は、職場に限らず、至る処にあるのかも知れません。何事も勉強、のつもりで平常心を大切にしながら色々な人達と接していきたいと思います。