コラム-9 場当たり的な嘘をよくつく厄介な人
「これはAプランで行うべきではないですか?」、「あっ、そうです。Aプランです」、「しかし、予算的なことを考えるとBプランで行うこともできますよね。」、「そうそう、Bの方がよいと私も思っていたところです」このようなやりとりを続けた挙句、根拠のないことを並べ立てる厄介な人がいます。
そして、ご本人は意識されていないかも知れませんが、このような人は、明らかに嘘をついているのです。
この手の厄介な人の心理状態を推し測ってみましょう。
まず、この人には確固たる考えはありません。この人の頭の中にあるのは、どうでもいいから早く終わらせてしまいたいという一念なのです。
また、この手の人はある種の協調性を持ち合わせています。憎めない面があります。相手が言うことに対して「嫌」と言えないのです。相手に嫌われないようにするため、ひたすら肯定的な返事を繰り返している内に、何を考えているのか自分でも何を言っているのか分からなくなってしまっているのです。まだ、このタイプの人は笑って済ませることができます。
もっと質の悪いものになると、上司には必要以上に諂い、部下には人が変わったように厳しくなる人もいます。
そして、とにかくその場を切り抜けるために、場当たり的な嘘を乱発します。責任は部下に全て背負わせます。夏目漱石の『坊ちゃん』に出てくる「赤シャツ」タイプです。
こういうタイプの人は、どこの組織にも一人、二人は、ざらに居るのではないでしょうか。
そして、不思議なことにこういう人は出世街道を進むことが珍しくありません。そういう人に煮え湯を飲まされた経験のある方も数多くいらっしゃると思いますがいかがでしょう?
◆このような厄介な人とはどのように付き合ったらよいのでしょうか?
私が考える結論は「交わらないこと」です。
しかし、職場で一緒だった場合は、交わらない訳にはいきません。もし、部下にこの類の人がいたら? 絶対に重用しないことです。
この人の意識や考え方を自分なら変えることができると思いたくなることもあるでしょうが、それは驕りでしす。そうそう変わるものではありません。それなのに、おべっかを使われるとそれが分からなくなってしまう人もいるのです。ご注意を!
また、反対にこの手の人が上司だったら?「朝が来ない夜はない。」と腹をくくることです。間違っても「理解してもらおう」などと無茶をしてはいけません。この手の人は、自分のことしか考えていないのです。月日が経てば、この人と離れられる日は必ず来ます。自分自身の内面を磨くために天が与えてくれた時間と割り切って自己啓発に努めてみましょう。
場当たり的な嘘をつく厄介な人は、信頼・信用とはほど遠い世界に住んでいる人なのです。