教師ー112 子どもの目線
◆「子どもの目線に立って」という言葉をよく耳にします。 しかし、幼稚園で勤務するようになって、私はこれまで“子どもの目線”だと思っていたものが、実はまだまだ大人側の感覚だったのではないかと気づかされました。
子どもたちと一緒に歯を磨く時間があります。
その時、子どもたちと話をするために私はしゃがみこむのですが、幼稚園児の目線に合わせようとすると、膝をつくほど深く腰を落とさなければなりません。
小学校では、少し腰をかがめる程度で「目線を合わせているつもり」になっていましたが、幼稚園の高さに視線を置いてみると、そこにはまったく違う世界が広がっていました。
「これが本当の子どもの目線なのか」 そう思った瞬間、今までの自分の関わり方が不十分だったのではないかと、静かに反省しました。
きっと、小学校1年生と話すときも、もっと深くしゃがみ込む必要があったのでしょう。
子どもの目線から大人を見ると、まるで“巨人”を見上げているようです。 立っているだけで大きく、威圧感がある。
そんな存在が大きな声を出したり、厳しい表情を見せたりしたら、子どもたちにとっては恐怖以外の何ものでもありません。
だからこそ、私は“優しい巨人”でありたいと思います。
大きいけれど、安心できる。 そばにいるとホッとする。
困ったときには助けてくれる。 子どもたちにとって、そんな頼れる存在でありたいのです。
やはり、笑顔と優しさを大切にして子どもたちに向き合うこと。 それが、私の教師としての変わらない基本です。
