活学と学力 「教育は愛」No.349

教育

学校教育ー74 活学と学力

◆学力というと、まだ、テストの結果を第1とする風潮が根強く残っています。テストの結果だけでなく、学ぶ意欲や表現力、他者との協調性なども幅広く学力と捉えることが望ましいのですが、受験においては、まだまだ、テストの点数を第1に考えるようなシステムにも影響されているのでしょう。確かに教科の学習をして、どの程度理解しているかを確かめることは大切です。しかし、生きていく上で大切なのは、体験をもとにした活学がさらに重要なのではないでしょうか。

 学校生活においても体験から学ぶ機会は数多くあります。日々の学級での生活もそのひとつですし、クラブ活動や委員会活動、児童会・生徒会活動なども当てはまります。

 また、学校以外での学びもあります。スポーツ少年団での体験、塾や習いごとでの体験も大事な学びです。

 特に、試合や大会、発表会などの学校生活では経験できないような大舞台での経験は子どもたちにとって、貴重な学びの場となります。

 バレエの発表会に向けて、練習を重ね、自分役どころを理解し、本番の舞台で表現する、その緊張感は、並大抵のものではないはずです。

 活学とは、生きていく上で、必要な精神力を鍛えることではないでしょうか。人生には、上手くいくことは珍しいくらいです。大抵の場合は、失敗したり、思うようなレベルまで達しなかったりすることがほとんどです。大切なのは、その時にどのような考え方をして、どのように行動するか、です。

 この精神力を鍛えるには、机上の学習だけでは不十分です。実際に経験し、いろいろな人たちと関わり、自分で考え、行動しなければ理解できません。自分だけでなく、沢山の人たちから支援していただくこともあるでしょう。その時、感謝の心を学ぶこともできます。悔しいと思い、心機一転、猛烈に練習することも生きていく上でとても大切なスピリッツです。

 変化の激しい社会です。

 未来を拓く子どもたちに、ペーパー上の学力だけでなく、経験を重視した活学について、私たち大人も真剣に考えなくてはならないのではないでしょうか。

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