学校教育ー76 はじき出し教材と研修
◆小学校の単位時間は45分間です。その時間内で完結する学習内容もあれば、家庭での復習や練習が必要な学習内容もあります。跳び箱運動は、跳び箱という特別な教具が学校にしかないので、45分間で完結させる必要があります。これを完結型教材と呼びます。これと対照的な位置にあるのがはじき出し型教材です。なわとびがその代表例です。
なわとびを上達させるには、45分間だけでは不十分です。また、なわとびだけ45分間やり続けるのも学習としては効率的ではありません。
授業では、なわとびの跳び方を紹介し、なわとび検定の予定などを伝えます。なわとびは、何回も繰り返し行うことにより、今までにない神経回路が結びつき、複雑な技を成し遂げることができるようになるのです。
ですから、家庭や休み時間での習熟が不可欠です。子どもたちが、夢中になってなわとびに取り組めるようなきっかけやヒントを授業で指導し、習熟は授業以外で、つまり、授業時間からはじき出して身に付けさせることがポイントとなります。
教師の研修も同様ではないでしょうか。
勤務時間にセットされた時間だけで完結できるほど、教師の研修は浅いものではありません。やればやるほど深みにはまるのが研修です。
働き方改革だから、研修時間を削りましょう。という風潮があります。しかし、教師は専門職です。授業力をはじめとする教師力を向上させるためには、時間がいくらあっても足りるものではありません。勤務時間からはじき出して努力することにより、教師としての力量が上がり、子どもたちや保護者の皆さんからリスペクトされるようになるのです。