学校教育ー146 シンギュラリティー
◆シンギュラリティーは日本語で「技術的特異点」と呼ばれ、AIが自己改善を繰り返すことで人間の知能を超える瞬間を指します。この概念は未来学者でAI研究者のレイ・カーツワイル氏によって提唱されました。彼は、コンピュータの計算能力がムーアの法則に従って指数関数的に向上していることを指摘し、2045年頃にAIが人間の知能を凌駕すると予測しています。
私がこの言葉を初めて知ったのは、GIGAスクール構想が始まった平成31年(令和元年)の頃でした。当時、教育研究所の所長として導入準備に奔走し、仲間と共に学び合う中で「シンギュラリティー」という概念に出会ったのです。
そして今、生成AIの発展は加速しています。 この勢いでいけば、2045年を待たずにシンギュラリティーが訪れるのではないかと感じるほどです。
生成AIはすでに、私たちの仕事、趣味、表現活動に深く入り込みました。IT産業各社は用途に合わせた生成AIを次々と発表し、ロボット技術も進化しています。世界大会では、ついに人間と同じようにマラソンを走れるロボットまで登場しました。動きも人間に近づき、もはやSFの世界が現実になりつつあります。
生成AIとロボット技術が融合すれば、昭和の時代に手塚治虫さんが描いた未来社会が、いよいよ現実のものとなるかもしれません。
<激変する社会で、教育はどうあるべきか>
このように社会が大きく変わる中で、教育の果たす役割はますます重要になります。
生成AIを使えば、論文、プレゼン資料、デザイン、作曲など、多くの創作物を高い完成度で仕上げることができる時代です。
もはや学校は、知識や技術を教えるだけの場ではなくなるでしょう。 子どもたちは一人一台のタブレットを持ち、やがては自分専用にカスタマイズされた生成AIを搭載するようになるはずです。
では、その時に学校はどうあるべきなのか。 教師は何を子どもたちに伝えるべきなのか。 多様な価値観が飛び交い、議論が巻き起こることでしょう。
<最後に残るものは「愛」>
私は、最終的に残るのは 「愛」 だと思っています。
教育は「AI」ではなく、教育は「愛」。
この大切な心を教え、共に学び合う場こそが学校であり、 それを子どもたちに届けることが、教師の最も大切な仕事になるのではないでしょうか。
