学校教育ー145 社会力を身に付ける
◆「社会力(しゃかいりょく)」とは 単に既存の社会やルールに適応するだけではなく、他者とつながりながら、自らより良い社会をつくり出していく総合的な人間力のことだと言われています。
学校でも職場でも、人間関係を良好に保つのは、時に骨が折れるものです。それは子どもたちの世界でも同じです。
<毎日変わる座席と、子どもたちの葛藤>
私が勤務しているさくら草幼稚園では、昼食時の座席が毎日変わります。 子どもたちには、仲良しのお友だちの隣や、気に入ったマークの付いた椅子など、それぞれに“お目当て”があります。
しかし、いつも思い通りの席に座れるとは限りません。 時には、自分の意図とは違う席しか残っていないこともあります。
先日、私が参観した年長さんの保育室でも、まさに座席をめぐる小さなトラブルが起きていました。
<トラブルを乗り越える子どもたちの姿>
その様子を見守っていると、ある男の子が悔しさから涙を流していました。 しかし、周りのお友だちが声をかけたり、空いている席へそっと誘導したりして、自然とトラブルは解消されていきました。
泣いている男の子に、自分のハンカチを差し出してあげる女の子の姿もあり、思わず胸が温かくなりました。
私は、子どものうちにこのような対人関係のトラブルをたくさん経験することは、とても大切だと考えています。
なぜなら、トラブルが起きても、必ず解決の糸口は見つかるからです。
子どもたち同士で経験し、学び合いながら、友だちとの関係を肯定的に築いていくこと。 これこそが、子どもたちにとって未来を生きる力(生きて働く力)となります。
<大人に求められる「信じて見守る」視点>
もめごとが起きないようにと、教師(大人)が先回りして過保護になってしまうのは、果たして良いことでしょうか。
子どもたちは、自分たちで解決する力を、潜在能力としてしっかりと持っています。 だからこそ、トラブルの場面を「困ったこと」ではなく「成長の機会」と捉え、子どもたちの力を引き出す視点が大切です。
それこそが、私たち教師や保護者に求められている大切な役割なのではないでしょうか。
