学校教育ー152 教育のデジタル化
■ なぜ今日、このテーマなのか
◆デジタル教科書の導入が全国で議論される中、海外からは「デジタル一辺倒への警鐘」が届いています。その報道を受け、教育の本質を見失わないために、今こそ冷静な視点が必要だと感じたことが、今日のテーマを導きました。
■ ノルウェーが示した「デジタル化の落とし穴」
ノルウェーでは授業のほとんどをデジタル化した結果、 子どもの学習意欲が低下した という検証結果が示され、教育相が警鐘を鳴らしています。
アメリカのある州では、デジタル化が進んだことで 筆記体で書かれた独立宣言を読めない子どもが増えた という実態を踏まえ、紙媒体での筆記学習を再び重視する方向へ舵を切りました。
デジタル化は万能ではなく、導入の仕方によっては学びの質を損なう可能性がある—— この事実は、私たちが真剣に受け止めるべきものです。
■ 日本の教育現場で見られた「デジタルの力」
GIGAスクール構想以前、ある自治体でタブレットを大幅導入した際、 授業中に居眠りしていた中学生が意欲的になったという報告もありました。
デジタルネイティブの子どもたちにとって、 タブレットで読み書きすることは自然な流れです。 デジタル教科書の導入は、未来社会を生き抜くために理に適っています。
しかし—— デジタル化と同時に、学校教育が育てるべき力を忘れてはならない。
■ 学校が育てるべき「不易の力」
学校で身に付けさせるべき力は、デジタルでは代替できません。
- 聞く力(教師の話を理解し、行動する力)
- 書く力(筆記具で文章を構成し、表現する力)
- 読む力(音読・黙読・読解の力)
- コミュニケーション力(対話・協働・協調の力)
- 計算力(基礎的な思考の土台)
これらはすべて、アナログの体験を通してこそ深く身につく力です。
アナログで基礎を固め、デジタルで増幅する。 この順序こそが、子どもたちの「生きて働く力」を育てる鍵だと考えます。
■ AIも「禁止」ではなく「正しく使う」時代へ
AIについても同様です。 学校でAIを禁止するのではなく、 子どもの力を伸ばすためにどう使うか を発達段階に応じて学ばせるべきです。
社会の激変により、従来の概念では処理できない課題が増えていきます。 だからこそ、教育は 「不易と流行」 をかみしめながら、望ましい姿へと変容していく必要があります。
■ デジタル教科書の導入は「現場の声」を最優先に
デジタル教科書の導入方法については、 ここ数年の激変を肌で感じている現場の教師・保育者の声を丁寧に聞きながら進めるべきです。
現場の知恵こそが、最も確かな羅針盤です。
☆読者への問いかけ
教育のデジタル化について、国や教育委員会の方針が示される前に、 教師一人ひとりが専門家としての持論を確立することが重要だと思いますが、 あなたはどのように考えますか。
