教師ー127 学校カスハラ対応手引 ― 信頼を守るために、いま必要なこと
【リード文】
学校と保護者・地域の皆様の関係が揺らぎ始めています。 文部科学省が「学校カスハラ対応手引」を公表した背景には、 現場の疲弊と、変わりゆく社会の価値観があります。 それでも、教育の根底にあるのは「愛」。 信頼を紡ぎ直すために、私たちは何を大切にすべきでしょうか。
◆ 学校カスハラ対応手引の公表
今朝の新聞一面に 「学校カスハラ対応手引」 やりとり録音残す、複数教員で対応 という見出しが大きく掲載されました。
やや遅すぎる感もありますが、 学校と保護者・地域の皆様がより良い関係を築くためには、 とても重要な一歩だと思います。
◆ 役所ではすでに始まっていたカスハラ対策
学校より一足先に、自治体の役所では カスハラ対応のルールづくりが進んでいます。
数時間に及ぶ質問や相談を超えた電話は、 業務を完全に止めてしまう深刻な事態を招きます。
私自身、教育委員会事務局で勤務していた頃、 定期的に長時間の苦情電話を受け、 抱えていた仕事をすべて中断せざるを得ませんでした。
その間に滞った業務は、 結局、残業で処理するしかありませんでした。
◆ 文科省が示した「許容されない言動」
今回の手引では、次のような行為が “許容されない言動”として示されています。
- 理不尽な理由でクラス替えや担任交代を求める
- 公園での遊び方などに対する監視を要求する
- 長時間校内に居座る
- 頻繁に長時間の電話をかける
こうした行為によって、 心身を病んでしまう管理職や教員が後を絶ちません。
◆ 昔は「節度ある関係」があった
ひと昔前、教師は「聖職者」と呼ばれ、 保護者・地域の皆様との間には 節度ある関係が保たれていました。
しかし、少子化の進行と権利意識の高まりの中で、 学校への期待と要望は膨らみ続けています。
「家庭教育」「学校教育」「社会教育」という 三層構造が崩れ、 「子どものことはすべて学校で」 という風潮が強まっているように感じます。
◆ 教師側の変化も見逃せない
教師の価値観や対応力も変化しています。
コミュニケーション力や耐性に課題を抱える教員が 昭和の時代より増えているのも事実でしょう。
さらに、コロナ禍で失われた教職員の懇親会。 昭和の時代には、 先輩が後輩の悩みを受け止め、叱咤激励し、 互いの心を整理しながら絆を深めていました。
今は、働き方改革やハラスメント意識の高まりの中で、 職場に「よそよそしさ」が漂う学校も少なくないと聞きます。
◆ 変わりゆく時代の中で、信頼をどう守るか
時代は動き、人の価値観も変わります。 常識は永遠ではありません。
それでも、 学校と保護者・地域の良好な関係は、 子どもたちの健全な育成に欠かせないものです。
互いの良識が揺らぐ現状を踏まえ、 文部科学省は今回の手引を策定したのでしょう。
◆ マニュアルが必要になる時代の寂しさ
人間関係が希薄になるほど、 マニュアルやガイドラインが必要になる―― そんな時代の寂しさを感じます。
しかし、私の信条は変わりません。
◆ 「教育は愛」
寂しくても、時代が変わっても、 私の根底にある思いは揺らぎません。
教育は愛。
愛をもって発信し、 愛をもって教育し、 保護者・地域の皆様と信頼関係を紡いでいきたいと考えます。
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