教師ー115 天職発想
◆ある声優さんが、インタビューで次のように語っていました。
「辞めたいと思ったことはありません。もしそう思ったとしても、次の日になると、やっぱり辞めたくないと思っているんです」
以前、ある本で「天職発想」という言葉に出会いました。 今の仕事を天職だと信じて向き合うことで、そこに魂が宿り、やがて素晴らしい成果につながっていくという考え方です。
先ほどの声優さんは、子どもの頃からの夢を叶えた方です。だからこそ心から仕事を楽しみ、まさに「天職」を生きていると言えるのでしょう。 自分の好きな仕事に就ければ、自然とそれを天職だと思い、励むことができます。
しかし、もし就いた職業が第一希望ではなかったらどうでしょうか。 そんなときこそ、「この職は自分にとっての天職だ」と思い込むことが大切なのだそうです。天職だと信じて目の前の仕事に全力を注ぐうちに、やがてその仕事が、本当の天職へと変わっていく——そのように語られていました。
好きな職業に就けることは、確かに大きな幸せです。 すべての人が希望通りの職に就き、仕事を通じて社会に貢献できるのが理想です。 一方で、私の知人には「仕事は生活の糧」と割り切り、「今の仕事は好きではない」と言い切る人もいました。 それでも、その人が仕事を通じて社会を支えている事実に変わりはありません。それもまた尊いことであり、ある意味では「天が与えた職」と言えるのではないでしょうか。
教員の世界に目を向けると、多くの先生方が日々の忙しさに追われています。特に学期末の慌ただしさは、目が回るほどです。 それでも、どんなに多忙であっても、子どもたちをしっかりと見つめ、愛おしそうに関わっている先生の姿を見ると、胸が熱くなります。 教師は、子どもたちの未来を拓く尊い存在です。子どもたちがいつでも信頼し、何でも相談できる存在であってほしいと願っています。
時には「辞めたい」と思う日があってもいいのだと思います。 それでも、冒頭の声優さんのように、次の日の朝には「やっぱりこの仕事が好きだ」と思える——そんな「天職発想」のしなやかさを、先生方にも大切にしてほしいのです。
