保護者の心 「教育は愛」No.740

教師

教師ー114 保護者の心

幼稚園の正門まで、お子さんを送り届けてくださる保護者の方々。
元気いっぱいに保育室へ向かう子もいれば、お母さんと離れがたくて抱きつき、涙をこぼしてしまう子もいます。

 これは小学校でも同じです。私が勤務していた学校では通学班で登校していましたが、なかには保護者の方と一緒に校門まで歩いてくる子もいました。 きっとお家の玄関でも、いつも笑顔の「行ってきます」ばかりではないはずです。離れがたくて涙を浮かべる場面も、きっとたくさんあるでしょう。小学校ではその姿が「学校の敷地内では見えなかっただけ」なのだと思います。

 実は、揺れているのは子どもの心だけではありません。 送り出す保護者の方の心もまた、大きく揺れているはずです。

 ・わが子と離れる寂しさや不安  ・成長を願う期待  ・ぐっとこらえて送り出す葛藤

 時には、どうしてよいか分からず、保護者の方自身が涙したくなる日もあるでしょう。

 家庭教育、学校教育、そして社会教育。 「教育」とは、子どもだけでなく、育てる側の大人もまた、それぞれの壁を乗り越えていく営みだと感じています。 つまり、悩むということは、それだけ真剣にわが子と向き合っている証なのです。

 私自身、担任時代には、友達とうまく協調できない子を前にして、 「どうしてこの子は同じ行動を繰り返すのだろう」 「担任として、この子に何をしてあげられるだろう」 と自問自答を重ねてきました。 何年経験を積んでも、教育に「絶対の正解」はありません。

 大人もみんな、悩みながら育てているのです。

 保護者の方は、毎日、24時間休みなくわが子の成長と向き合われています。 悩みを抱えたとき、誰に相談すればよいか分からず、ますます深みに陥ってしまうこともあるかもしれません。

 だからこそ私たち教師は、子どもだけでなく、保護者の方の心も揺れているという事実を、しっかり受け止めたいと思っています。

 そのために必要なのは、プロとしての「想像力」です。 子どものちょっとした変化、保護者の方のつぶやきや表情に気を配り、その背景にある「お父さん、お母さんの心の状態」にまで思いを巡らせて対応する。 それこそが、子どもと保護者の双方に寄り添うということであり、学校が果たすべき大切な役割だと感じています。

 保護者の皆さん、どうか一人で抱え込まないでください。 学校の先生たちは、子どもたちの味方であると同時に、毎日がんばる保護者の方々の心強いパートナーでもあります。

 そして、教育現場で日々奮闘している先生方。 目の前の子どもを支えることはもちろん、その背後にある保護者の心にもそっと寄り添える、そんな温かい想像力を持った教師でありたいものです。

  私たちのその一歩が、家庭と学校をつなぐ、何よりの架け橋になるはずです。

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