幼稚園ー16 生きる力
◆「生きる力」とは何か。創造力、表現力、資料を活用する能力、自ら進んで学ぶ意欲、学びに向かう力、多様な考えを受け入れる力、他者と協働する力、非認知能力等・・・。「生きる力」の考え方は、時代とともにいろいろと姿を変えています。
確かに、激変を続ける社会を生き抜くためには、生きる力は、千変万化しなければ時代に追いついていけないのだと思います。
深刻化する不登校問題、若手教員の早期離脱、教員志望者の激減など、平成の後半から令和の時代、私も管理職として様々なケースを目の当たりにしてきました。
そして、考えるのです。
私は、教育者として、人生を歩んでいます。
子どもたちのことは、苦だと思ったことは一度もありませんでした。
しかし、職場や仕事上では、数え切れないほどの苦汁をなめてきました。
失敗、仕事上の困難、職場で相性の合わない人との付き合い、尊敬できない上司、理解できない若者など、こうして考えると主として人間関係に苦のウエイトが多かったように感じます。
それでも、逃げたら後がありません。
ひたすらに前を向いて進んできました。
私は、「生きる力」とは、失敗や困難に遭遇した時、それらを乗り越える力ではないかと考えます。
一度、逃げ出したら、癖になります。逃げ癖がついてしまったら、人生は後ろ向きになってしまいます。
逃げたくて仕方ない時、気持ちを切り替えて、前に進む勇気をもつ。
そのためには、辛抱という名の忍耐力やマイナス思考をプラス思考に変換する心の転換力、そして、結果が出るまで繰り返す継続力、これらの力こそ、令和の時代に求められている「生きる力」ではないでしょうか。
教職を目指す大学生にバラ色の教員生活を教える教師や先輩がいます。
もっと、リアルを教えてはいかがでしょうか。嫌な事は教師の世界にも沢山あります。
それを乗り越えるための心の持ち方と行動の仕方を教えてあげるのです。
そして、常に自分のできるベストの力で挑む姿勢、生き方を教えてあげるのです。
きれい事では済まされない、芯のあるリアルで生き抜く方法を。
私が園長を務めるさくら草幼稚園は、バスを使用しません。保護者が園まで連れてきてくれます。時々、正門で保護者と別れるのが辛くて泣き出してしまう子どもがいます。
そんな時、教師と保護者が心を合わせて、励まし、子どもの背中を押します。
小さな子どもが正門で保護者に別れを告げ、保育室まで独りで歩く姿。
雨の日も、風の日も、猛暑の日も・・・自分の足で一歩ずつ歩む後ろ姿。
その後ろ姿に、私は「生きる力」を感じます。
