学校教育ー177 新たな教科書は紙中心に
◆ 2030年度以降に小中高校で導入されるデジタル教科書の在り方を示す、文部科学省の「大臣指針」の素案が報道されました。それによると、新たな教科書は紙を中心とし、デジタルは補助的・補完的な位置付けになるとのことです。
素案では、新たな教科書は紙を中心としながら、全学年・全教科で紙とデジタルを組み合わせるハイブリッド型を基本とするそうです。
小学校5年生以上では主に紙を用い、4年生以下ではデジタル部分をより限定し、おおむね紙で構成するとのことです。デジタルは、あくまでも補助的・補完的な扱いになります。
完全デジタルの教科書は、小学校4年生以下では認めず、5年生以上でも英語のほか、音楽や美術などの実技系教科に限定する方針だそうです。
今回、紙を中心とする方針の根拠として挙げられているのは、「年齢が低い子どもは認知機能が発達途上にあり、デジタルの影響を受けやすいこと」や、「紙の活用が学習に効果的であること」など、専門家の意見です。
今後は、子どもたちの健康面や学校現場での実証研究なども進め、必要に応じて見直していくそうです。
以前にも、ノルウェーの担当大臣がデジタル教科書に警鐘を鳴らしたことが報道されました。また、米国のある州では、筆記体を読めない子どもが増えていることなどを背景に、デジタルから紙へ、キーボード入力から手書きへと、学習の在り方を見直す動きがニュースで大きく取り上げられていました。
紙の教科書やノートには、ページをめくる、鉛筆で文字を書くといった動作があります。紙をめくる音や手触り、紙のにおいなど、さまざまな感覚が学習に関わっています。こうした経験が脳に働きかけ、学習効果を高めると主張する専門家もいます。
私自身も、本を読みながらページをめくり、付箋を貼り、マーカーで書き込みをすることが習慣になっています。
パソコンに保存したり、キーボードで入力したりすることもかなり多くなりました。しかし、2Bの0.9ミリ芯を入れたシャープペンシルを愛用し、ノートに書くことも忘れません。
この年齢になっても、手を動かして書くことの大切さを実感しています。
パソコンは、今や生活に欠かせないものです。デジタル化が進むことも、大いに結構です。
しかし、だからこそ、これまで大切にされてきた「読む・書く・計算する」というアナログの学びも、特に小学校の子どもたちには大切にしてほしいと考えます。
そして、今回、教科書へのAI搭載についても議論されたそうです。
AIの進化と普及は、私たちの想定を上回る速度で進んでいます。だからこそ、AIの重要性を認識し、その正しい使い方や向き合い方について、ためらうことなく、小学校低学年から発達段階に応じてカリキュラムに取り入れていくべきだと考えます。
未来を見据えた教科書の在り方、教育の在り方、そして学校の在り方。
それらを考える際には、専門家や有識者の意見だけでなく、日々、子どもたちと向き合い、奮闘している学校現場の声にも、もっと、もっと、耳を傾けてほしいと思います。
子どもたちの未来にとって何が本当に大切なのか。
学校現場の声を大切にしながら、国全体で十分に議論を重ね、よりよい教育の在り方を考えていくべきではないでしょうか。

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