55のメッセージ27 自分のことをたくさん愛してあげましょう! 「教育は愛」No.853

55のメッセージ

55のメッセージー27 自分のことをたくさん愛してあげましょう!(職場編)

◆令和5年、県の小学校校長会総会で、落語家の林家たい平師匠のご講演を拝聴する機会に恵まれました。

たい平師匠ご自身の歩みや経験を踏まえ、教育へと結びつけられたお話は、深く胸に染み入りました。これまで数多くの教育講演を拝聴してきましたが、その中でも間違いなく、最も心に響く講演の一つでした。

さすがは噺家さんというべきでしょうか。お話には見事な起承転結があり、笑いあり、涙あり。とても素人にはまねのできない、見事な語り口でした。そして、一言ひとことの端々から、たい平師匠の温かく誠実なお人柄が伝わってきたのです。

特に印象に残ったのは、師匠から「落語を磨くのではなく、まず、人間を磨け」と教わったというエピソードです。

これは、私たちが生きる教育の世界にも、そのまま通じることだと深く感じ入りました。

大きな感動を覚えた私は、たい平師匠へお手紙を書かせていただきました。素晴らしい講演への感謝の気持ちとともに、私自身が「教育は愛」を標榜し、学校経営に取り組んでいることなどを綴りました。

そして、ご多忙のところ恐縮とは思いながらも、一枚の色紙を同封し、ご揮毫(きごう)をお願いしたのです。

たい平師匠は、ご多忙の身であるにもかかわらず、私の手紙に目を通してくださり、丁寧なお返事とともに、素晴らしいご揮毫をお送りくださいました。

そこには、墨痕鮮やかに、こう書かれていたのです。

「幸せになるためにすること、それは自分のことをたくさん愛してあげること」

美術大学をご卒業されたたい平師匠ならではのセンスで、色紙には素敵なイラストまで添えられていました。

私は、さっそくお礼のお手紙をしたため、この色紙を大切に校長室へ飾らせていただきました。

それ以来、校長室を訪れる方々や子どもたちに、この言葉の意味を伝えてきました。そして、学校経営の柱である「教育は愛」への思いを、発信し続けてきたのです。

特に、悩みを抱えて相談に来られた教職員や保護者の方々には、この言葉を贈りながら、精いっぱいのエールを送ったものでした。

教師という職業を選ぶ人には、人一倍優しい心の持ち主が多いと感じます。

自分のことは二の次にして、目の前で困っている子どもや同僚のために、全力で寄り添おうとします。

しかし、その優しさゆえに、自分の心身のエネルギーを使い果たし、体調を崩してしまう先生方も、私は数多く見てきました。

子どもたちや仲間を元気づけるためには、まず、自分自身が元気でなくてはなりません。

子どもたちや仲間を愛するためにも、まず、自分自身のことをたくさん愛してあげる必要があるのです。

「教育は愛」――。

私はこれまで、見返りを求めることなく、ただひたすらに子どもたちの幸せを願い、愛をもって教育に携わることを教職員に求めてきました。

しかし、たい平師匠のご揮毫を通して、改めて気づかされたことがあります。

それは、子どもたちを愛するためにも、まず、自分自身をたくさん愛してあげることが大切だということです。

自分を大切にすることは、決してわがままではありません。

疲れたときには休む。つらいときには誰かに頼る。頑張っている自分を認め、ねぎらう。

そうして自分自身を大切にすることが、明日への活力を生み、再び子どもたちと向き合う力につながっていくのではないでしょうか。

自分も幸せに。そして、子どもたちも幸せに。

自分自身を愛することは、子どもたちを愛することにもつながっているのです。

日々、子どもたちのために全力で奮闘されている先生方。

あなたは、これまで十分に頑張ってこられたはずです。

だからこそ、ときには自分自身にも、優しい言葉をかけてあげてください。

「今日もよく頑張ったね」
「今の自分で大丈夫」
「明日も、できることから一歩ずつ進んでいこう」

まずは、あなた自身のことを、たくさん、たくさん、愛してあげてください。

その愛が、明日を生きるあなたの元気と勇気の源となり、やがて、子どもたちへの温かな愛となって広がっていくはずです。

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