幼稚園ー29 遊びは学び
遊びは学び
◆幼稚園の子どもたちの外遊びを見ていると、改めて「遊びは学び」だと実感させられます。
一心不乱に走り回る子どもたち。そこには、遊びを楽しみながら、実に多くのことを学んでいる姿があります。
【昭和の広場に見る、理想の学び】
小学校で体育科教育の研究に取り組んでいた頃、私は「広場で遊ぶ子どもたち」をテーマに学校研究を行いました。
昭和の時代、放課後の広場には、学年の異なる子どもたちが自然と集まり、自分たちで遊びを考えていました。
もめ事が起きれば話し合い、必要に応じてルールを決め直す。
そこには、子どもたちが自ら考え、仲間と協力し、よりよい関係を築いていく姿がありました。私は、これこそが理想的な遊びであり、学びの姿だと考えていたのです。
そして今、幼稚園の子どもたちの姿からも、当時と変わらない、いや、それ以上に素晴らしい「学びの瞬間」を数多く見つけることができます。
【外遊びに詰まった「5つの学び」】
① 圧倒的な運動量(持久力)
子どもたちは、夢中になって走り回ります。遊びそのものが全身を使った運動となり、楽しみながら持久力を養っています。決められた時間だけ走る運動とはまた違った、夢中だからこそ生まれる豊かな運動量があります。
② 友だちとの協働(協調性・思いやり)
友だちの名前を呼び合い、声をかけ合いながら、遊具や遊びに夢中になります。相手の動きを感じ取り、気持ちを通わせる。そんなやり取りを重ねる中で、協調性や思いやりの心が自然と育まれていきます。
③ 「めあて」の発生(課題解決の学び)
鬼ごっこやリレーなどでは、遊びながら作戦を考えたり、勝つための工夫をしたりする姿が見られます。自分たちで目的を見つけ、考え、試し、工夫する。そこには、自ら課題を見いだし、解決していく学びがあります。
④ 規律ある生活(社会性)
遊びに夢中になっていても、終了の放送が流れると、友だちに声をかけ合いながら保育室へ戻っていきます。集団生活の中で約束を守り、周囲と歩調を合わせる。こうした経験を通して、社会性が育まれていきます。
⑤ 保健・衛生的な態度(自己管理)
室内に戻る前には、石けんをつけて丁寧に手を洗い、うがいをする子どもたちの姿も見られます。遊びで体を動かすだけでなく、自分の健康を守るための習慣も、日々の生活の中で身につけているのです。
【遊びがもたらす、次の活動への集中】
元気いっぱいに体を動かし、友だちと関わり、自分で考えながら外遊びを満喫した子どもたち。
遊びを終えた後には、心も体も満たされ、次の活動へと気持ちを切り替えていく姿が見られます。
十分に体を動かし、友だちとの関わりを楽しむことは、その後の活動に向かう意欲や集中力にもつながります。
外遊びは、単なる気分転換ではありません。子どもたちの心と体を育み、次の学びへとつなぐ大切な時間なのです。
【最後に】
机に向かって学ぶことも、もちろん大切です。
しかし、その土台となる「運動遊びを通した学び」も、子どもたちの健やかな成長に欠かすことができません。
目の前の子どもたちの姿から、私自身、改めて多くのことを学ばせていただきました。
☆特に、友だちと認め合い、支え合う、肯定的な人間関係を育む上で、運動遊びは大きな効果と可能性を秘めていると確信しています。
遊びは学び。
子どもたちが夢中になって遊ぶ姿の中にこそ、これからの教育を考える大切なヒントがあるのではないでしょうか。

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