55のメッセージー17 年次休暇は使うためにある(職場編)
昭和から続く「休めない文化」
◆「子どもたちが学校にいる時には、年次休暇を取ってはならない」 昭和の時代、私たち教員の世代には、そんな頑なな思い込みが確かにありました。 そして令和の今でも、教職員の皆さんが年次休暇(有給休暇)を取得することに、どこか遠慮を感じている場面が見受けられます。
年休は本来、保障された大切な権利
私の勤務していた自治体では、公立学校の教職員には年度に20日間(翌年度への繰越を含め最大40日間)の年休が保障されています。 それでも遠慮してしまうのは、教員世界に根づく「強い使命感」という文化の裏返しなのでしょう。 「自分が休んだら現場に迷惑がかかる」「余剰人員がいないから申し訳ない」――その責任感は本当に尊いものです。
教員も一人の人間である
しかし、教員だって一人の人間です。 体調を崩すこともあれば、家族の用事でどうしても休まなければならない日もあります。 働き方改革の追い風を受け、学校現場でも年休の積極的な取得が推進され、休みやすい雰囲気も確実に醸成されてきました。
家庭人としての優先順位を!
私たちの若い頃は、我が子の授業参観や学校行事のために仕事を休むなど、考えられないことでした。 同世代の中には「熱が出たら堂々と休めるのに……」と、年休を取るための“大義名分”を探す者さえいたほどです。
教師である前に、一人の家庭人です。 男性も当たり前に子育てに参加する時代です。 もし「勤務校の卒業式」と「我が子の卒業式」が重なったらどうするか。 私は校長時代、迷うことなく「我が子の卒業式に出席しなさい」と伝えていました。
校長としての持論
「教師が良い仕事をするためには、ご自身の健康とご家族の幸せを第一優先にしなくてはならない」 これが、私のリーダーとしての揺るぎない持論です。
最近では、我が子が通う学校での朝の見守り、授業参観、PTA活動などに参加する先生が増えてきました。 本当に好ましく、素敵な変化だと感じています。
年休を取得することへの“罪悪感”を越えて
それでもまだ、年休を取ることに“罪悪感”のようなものを抱えている方は少なくありません。 私は校長時代、特別な理由がなくても、趣味や気分転換のために学年内でローテーションを組んで年休を取るよう勧めました。 しかし、当時はなかなか実現に至りませんでした。 だからこそ、今いる先生方には、その壁を越えてほしいと願っています。
持続可能な働き方は「休み方」から
教職員の皆さん。 ご自身のため、そして大切なご家族のために、ぜひ年次休暇を積極的に活用してください。 それはサボるためではなく、あなたが笑顔で、良い仕事を長く続けていくために自治体から贈られている、大切な権利なのです。
持続可能な新しい学校の形を、まずはご自身の「休み方」から始めてみませんか。
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