55のメッセージ-30 管理職への道を考える時(職場編)
◆30代後半になると、管理職の先生から「そろそろ管理職選考を受けてみませんか」と勧められることがあります。
もちろん、誰にでも声をかけているわけではありません。学校でミドルリーダーとして活躍し、周囲から期待されている先生に声がかかるのです。
学級担任などの「教諭」と、主幹教諭、教頭、副校長、校長などの管理職とでは、仕事の内容が大きく変わります。
学級担任は、自分の学級の子どもたち一人ひとりに細かく目を配ります。
一方、管理職になると、全校の子どもたちや教職員一人ひとりに目を配る必要があります。
さらに、教育活動だけでなく、学校の施設管理や予算管理、人事など、考えなければならないことも多岐にわたります。
以前、ある先生が「管理職になったら教師でなくなってしまう。だから、管理職には手を挙げない」とおっしゃっていたことがあります。
確かに、管理職になると仕事内容は大きく変わります。授業のことだけを考えていればよいわけではありません。
しかし、私の経験から言えば、管理職になっても教師でなくなるわけではありません。視野を広げ、学校全体を見渡す教師になるのです。
管理職になっても、子どもたちを直接指導する場面は数多くあります。朝の挨拶運動、講話、清掃指導、特別授業など、子どもたちと直接関わる機会は至るところにあります。
しかも、その対象は自分の学級から全校へと広がるのです。
一方、教師の中には、管理職を強く志向する方もいらっしゃいます。
若い頃から管理職選考試験の勉強に熱心に取り組み、管理職を目指している先生です。
自分自身で教師としての生き方や将来のライフスタイルを考え、その目標に向かって努力されているのですから、それも大いに結構なことだと思います。
では、管理職への道は、どのように考えればよいのでしょうか。
私が管理職選考を受検できる年齢に近づいた頃、信頼していた校長先生から、次のような助言をいただきました。
「千葉先生も、もうすぐ管理職選考を受検できる年齢ですね。管理職選考は、自分の中で心、技、体が充実し、管理職として活躍できる状態になった時が、受検する時だと思います。私は、そう考えて管理職の道を選びました。まず、自分の今の状態を見つめ直すこと、それが大切だと思います」
この校長先生は他校の校長先生でしたが、年に数回お会いするたびに、ご自身の経験をもとに「教師として生きる道」のヒントを丁寧に教えてくださいました。
その温かく、愛のある言葉から、私はいつも多くのことを学び、感謝していました。
やがて、私も管理職選考試験の受検資格を得られる年齢になりました。
その年、私は隣の市の小学校へ異動したばかりでした。
異動先の校長先生から管理職選考試験の受検を勧めていただいた時、私は次のようにお願いしました。
「私は、本校に着任したばかりです。まず、子どもたちを知り、学校を知り、自分に何ができるのかを見つけなければならない年だと考えています。今年は、本校のことをしっかり勉強させてください」
校長先生は優しく微笑まれ、その後も私のことを温かく見守り、ご指導くださいました。
教師にとって、管理職選考を受けるかどうかは、人生の大きな岐路の一つです。
管理職を目指すことも、一人の教師として子どもたちと向き合い続けることも、それぞれに大切な道です。
肝心なのは、周囲の期待や勧めだけで決めるのではなく、自分自身の状態を見つめ、納得した上で選択することではないでしょうか。
管理職への道を考える時には、自分の教師としての「心、技、体」を見つめ直し、問いかけてください。
「自分は今、どのような教師でありたいのか?そして、これからどのように生きていきたいのか?」
その問いに向き合うことが、自分らしい教師人生を歩むための大切な一歩になるのだと思います。
※関連記事です。ご覧いただければ幸いです。
55のメッセージ-31 リーダーシップ(職場編) | 教育は愛


コメント